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NPT準備委 「声明不賛同 許せぬ」 被爆者がジュネーブ報告

 2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会に合わせ、4月下旬にスイス・ジュネーブを訪れた被爆者の佐久間邦彦さん(68)=広島市西区=が8日、市役所で帰国報告の会見をした。

 準備委で南アフリカが発表し、70カ国以上が賛同した「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に加わらなかった日本政府の対応を「許せない。日本人として恥ずかしい」と非難。南アフリカや賛同国のオーストリアの大使、政府関係者と面談した際、「日本は将来核兵器を持つ気か」と危ぶむ声を聞かされたという。

 佐久間さんは9カ月の時、爆心地から約3キロの己斐町(現西区)で被爆。母に背負われて避難する際に黒い雨を浴びた。ジュネーブには日本原水協から派遣され、4月21~28日に現地で証言活動やデモ行進をした。会見で「署名活動などを通じ、今後も核兵器廃絶を訴える」と誓った。(山本乃輔)

(2013年5月9日朝刊掲載)

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