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広経大の集中講義「ヒロシマを歩く」 20大学・高専も履修可能に

■記者 藤村潤平

 広島に原爆が投下された1945年8月6日を追体験する広島経済大(広島市安佐南区)の集中講義「ヒロシマを歩く」が9月にある。2年目の今年は教育ネットワーク中国に参加する広島、島根両県の20大学・高専の学生も単位互換制度で履修できる。

 講義は9月4日から2泊3日で開く。被爆者の避難路を歩き、身体で原爆の悲惨さを感じ取り、平和の尊さを考える。初日は広島市の歴史や被爆直後の状況を経済大で学ぶ。

 メーンの2日目は約8キロを歩く。爆心地の平和記念公園を出発。救護所になった袋町小や広島赤十字・原爆病院、陸軍糧秣支廠(しょう)だった市郷土資料館、宇品港をめぐる。各所で被爆証言も聞く。広島城の中国軍管区司令部跡で、軍都広島の側面も考える。

 最終日は江田島で旧海軍兵学校などを見学する。講義終了後に提出する6000字程度のリポートの成績により、2単位が与えられる。

 「ヒロシマを歩く」は昨年夏、岡本貞雄教授(宗教学)がゼミの企画として実施。他大学を含む学生約70人が参加した。その後に作成したリポート集の内容が評価され、本年度は経済大の正規授業となり、教育ネットワーク中国の単位互換科目にも選ばれた。岡本教授は「被爆体験の継承が課題となる今、自分の頭と体で原爆とは何かを考えてほしい」と呼び掛ける。

 参加を希望する学生は今月上旬、各大学で履修を申し込み、宿泊費、食費、交通費を含む1万円程度は自己負担する。岡本研究室Tel082(871)1476。

≪教育ネットワーク中国の単位互換制度の参加校≫(五十音順)
・エリザベト音楽大
・近畿大工学部
・呉工業高専
・県立広島大
・山陽女子短大
・島根県立大
・鈴峯女子短大
・比治山大
・比治山大短期大学部
・広島経済大
・広島工業大
・広島国際学院大
・広島修道大
・広島女学院大
・広島市立大
・広島大(法、経済学部の夜間)
・広島文化学園大
・広島文化学園短大
・広島文教女子大
・安田女子大
・安田女子短大

(2009年4月7日朝刊掲載)

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