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呉高専後輩に「地下壕解明を」 調査まとめ役 中村さん卒業

 呉市の海上自衛隊呉基地に現存する地下壕(ごう)を調べている呉高専(呉市)でリーダー役を務めていた女子学生が、今春で卒業する。旧海軍が建設したとされる基地内の地下壕は、規模や戦後の用途が徐々に分かってきた一方で、建設方法などに未解明な点も残る。4月以降も調査は続く見通しで、後輩にバトンを託す。

 建築学科5年の中村理子さん(20)。父親が海上自衛隊員であることもあり、呉基地内の地下壕に興味を持った。3年生だった2017年度の調査開始当初から学生有志の一人として参加。まとめ役を担い、地下壕のマップ作りや一般公開時の解説などに尽力した。

 中村さんは「海軍とのゆかりが深い呉の歴史などの知識が広がった。海自など外部の人とも関わる機会ができ、いい社会勉強になった」と強調する。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、20日の卒業式は中止になった。卒業後は就職する中村さんはこのほど、はかま姿で来校し、調査を担当する上寺哲也准教授にあいさつ。これまでの成果を振り返った。

 調査は20年度以降も呉高専と広島工業大(広島市佐伯区)の教員と学生が続ける方針。中村さんは「後輩たちが新たな発見をしてくれることを願っている」と期待を寄せている。(浜村満大)

(2020年3月29日朝刊掲載)

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