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被爆2年後 本川小児童が米牧師に贈った 絵や書48点 現地で初公開

■記者 森田裕美

 被爆2年後の1947年に広島の児童が描き、米国・ワシントンのオールソウルズ教会の牧師に贈った絵などが、現地で初公開されている。この教会を通じた日米の草の根交流を映画化している舞踊家の重藤静美さん(56)から7日、中国新聞社に写真が届いた。

 本川小(広島市中区)の当時の児童が、復興途上の街を描いた絵や書など48作品。被爆地の物資不足を知った米国人牧師が1946年、同小に贈った絵の具やクレヨンの返礼だった。

 両親が広島出身で、米国在住の重藤さんは3年前、教会に眠る児童の作品に出合い心を打たれた。教会と協力して絵の傷みの修復を進め「大変な時代に生まれた日米市民の心の交流を若い世代に見てもらいたい」と映画制作に乗り出した。

 今回、修復が終わったのを機に保管する同教会が、実物や複写の展示を企画。6日(現地5日)の開会セレモニーには約600人が出席した。児童の作品は6月まで教会で展示後、米国の他の教会や学校を巡回する。日本での展示の計画もある。

(2009年 4月8日朝刊掲載)

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