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NPT準備委の対応めぐり議論 東京でシンポ

 スイス・ジュネーブで開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会を振り返るシンポジウムが14日、東京・霞が関であった。「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に日本が賛同しなかった問題について、外務省の担当者や非政府組織(NGO)の代表たち4人が意見を交わした。

 外務省軍備管理軍縮課の吉田謙介課長は、声明を支持しなかった理由を「わが国の安全保障政策との整合性を確保するため」と説明。「いかなる状況下でも核兵器が再び使用されないことが人類生存に寄与する」という文言に問題があるとの見解を繰り返した。

 一方で、「人道性を核軍縮の基礎としなければならない」と強調。広島市で来春開かれる日本など非核保有国10カ国でつくる軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)外相会合で、核兵器の非人道性に焦点を当てる方針を示した。

 これに対し、ピースボート(東京)の川崎哲共同代表は「賛同しても日本の安保政策と矛盾しない」と政府の対応を批判。賛同国の拡大は核兵器の使用や威嚇に対する抑止力となり、結果的に日本の安保政策にプラスになると訴えた。

 シンクタンク「日本国際問題研究所」(東京)が主催した。(藤村潤平)

(2013年5月15日朝刊掲載)

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