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映画完成 監督ら報告 広島市役所 おかあさんの被爆ピアノ

 被爆ピアノを修復して各地で演奏会を続ける調律師の矢川光則さん(67)=広島市安佐南区=をモデルにした映画「おかあさんの被爆ピアノ」が完成した。五藤利弘監督(51)と矢川さんが7日、市役所で松井一実市長に報告した。

 広島のシーンは昨年5月に平和記念公園(中区)などで撮影した。五藤監督は好天での収録を「あのような青空の下で原爆に遭ったのだと思わされた」と回顧。矢川さんたち地元の協力で仕上がったとして「力添えに応える映画になっていればと願う」と話した。

 松井市長は「大切な取り組みを映画にしてもらった。多くの人に見てほしい」と期待した。矢川さんは会談後「20年近く演奏会を続け、平和の種まきをしてきた。被爆75年の節目に映画が公開され、さらに広く被爆ピアノの存在が伝わればうれしい」と喜んだ。

 映画は、被爆ピアノを修理して各地で演奏会を開く調律師と、演奏会をきっかけに広島で被爆した祖母の記憶をたどる若いヒロインを描く。調律師を佐野史郎さん、ヒロインを武藤十夢(とむ)さん(AKB48)が演じる。5月15日から中区八丁堀の八丁座で先行上映し、8月から全国で順次、公開を予定する。(明知隼二)

(2020年4月8日朝刊掲載)

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