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核廃絶へ赤十字会議 広島で初開催 24ヵ国から参加

 24カ国の赤十字社・赤新月社や赤十字国際委員会(ICRC)などが核兵器廃絶に向けた道筋を話し合う国際会議が15日、広島市南区のホテルで開幕した。核使用の非人道性の観点から廃絶を目指す行動計画案をまとめる。

 会期は17日までの3日間で、42人が出席した。開会式で日本赤十字社の近衛忠煇社長は「広島に多くを学び、さらなる一歩を踏み出したい」とあいさつ。松井一実市長は、国際社会が核兵器の非人道性に焦点を当てて廃絶を唱え始めたのを念頭に、「人類の明るい未来に向けた新たな動きを後押ししたい」と訴えた。

 会議では、核兵器廃絶をめぐる世界情勢について協議。2011年11月に赤十字・赤新月運動の代表者会議で採択した核兵器の非人道性を訴える決議が、核軍縮の新たな潮流を生んだとの認識を共有した。

 国連の前軍縮問題担当上級代表のセルジオ・ドアルテ氏は、15年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会で「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に80カ国が賛同した点に言及。「市民社会を巻き込み、運動を前進させよう」と強調した。

 最終日にまとめる行動計画案はことし11月の次回代表者会議に諮る。広島で赤十字の国際会議が開かれるのは初めて。ICRCから原爆投下後の広島に派遣されたマルセル・ジュノー医師を題材にしたアニメ映画の上映もあった。(田中美千子)

(2013年5月16日朝刊掲載)

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