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原爆資料館 休館を延長 来月17日まで 2ヵ月半に

 広島市は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今月12日までとしていた原爆資料館(中区)の臨時休館を5月17日まで延ばすと決めた。2月29日に始まり、大型連休を挟んで2カ月半に及ぶことになる。被爆体験を伝える活動への影響も、さらに広がる見通しとなった。

 市役所での対策本部員会議で決めた。政府が7都府県に緊急事態宣言を出し、広島市でも感染経路を特定できない感染者が増えている現状などを踏まえて、長期的な取り組みが必要と判断した。

 例年なら4~6月、資料館には多くの修学旅行生たちが詰め掛けるが、今年は見直しが相次ぐ。その影響などで6日現在、被爆体験の講話497件▽証言を引き継ぐ伝承者の講話173件▽ピースボランティアの案内70件▽平和学習講座5件の計745件―の延期や中止が決まっている。

 市は、広島城(中区)や5―Daysこども文化科学館(同)、市現代美術館(南区)、ヌマジ交通ミュージアム(安佐南区)など11カ所の集客施設の臨時休館も同様に延長する予定。

 本部員会議では、重症化のリスクがある高齢者が多く集まるイベントなどの中止・延期を求める期間も、5月17日まで延ばした。開催日の変更が難しい場合には、アルコール消毒液の設置など感染予防策の徹底を促す。(久保田剛)

(2020年4月10日朝刊掲載)

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