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被爆遺構描く水彩画 広島市中区 アマ画家藤登さん個展

 被爆遺構などを題材に水彩画を描き続けているアマチュア画家藤登弘郎さん(84)=広島市安芸区=の個展「被爆75年・あの日を忘れない」が、旧日本銀行広島支店(中区)で開かれている。12日まで。無料。

 市中心部にある被爆した鳥居や樹木など、2017年以降に描いた新作60点を展示している。うち20点は地蔵がテーマ。爆風で首が吹き飛ばされたり、顔が溶けたりした姿を淡い色使いで描く。

 存廃の行方に関心が集まる市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)を取り上げたのは4点。ゆがんだ鉄扉や古びたれんが壁をさまざまな角度で切り取った。

 藤登さんは地場銀行を定年退職した後から描き始めた。市内で被爆遺構が消えゆくのを知り、自らのモチーフと決めた。「街の中に埋もれた被爆の爪痕をもっと知ってほしい」と話す。午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)。(木原由維)

(2020年4月10日朝刊掲載)

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