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西中国山地監視へ測定器 米軍機低空飛行 廿日市市が月内設置

 広島市廿日市市は月内に、騒音測定器を市北部に独自設置する。広島県北広島町は1月に町内4カ所で測定器を設置。米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転計画や、同基地を拠点にした垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの本土訓練に対し、広島県西部の山間部で米軍機の低空飛行の実態把握を進める。

 廿日市市は吉和支所に測定器を設置し、騒がしい街頭の音量に相当する70デシベル以上の騒音と最大値を計測する。6月以降、市ホームページで公表する予定。県内自治体の独自設置は江田島市、北広島町に次ぎ3番目となる。

 吉和地域は西中国山地の訓練空域とされる「エリア567」の一部。総務課は「これまでの目撃情報と合わせて、低空飛行の特定につなげたい」としている。

 北広島町は、低空飛行の目撃が多い町北部の芸北、大朝の両支所と八幡、美和の両出張所に設置した。3月末までに70デシベル以上の音を記録した日が14日あり、音量は3月7日に芸北支所で最大の91・2デシベルだった。

 一方、中国四国防衛局は廿日市市や大竹市、岩国市など20カ所に測定器を設置しているものの、いずれも岩国基地周辺の沿岸や島しょ部で、西中国山地には設置していない。

 岩国基地の拡張・強化に反対する広島県西部住民の会の坂本千尋事務局長は「山間部の独自設置で監視の網の目は細かくなる。市町が連携して情報交換を進めてほしい」と強調した。(桑原正敏、畑山尚史)

(2013年5月17日朝刊掲載)

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