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潜伏続ける2兵士 「沖縄」えぐる物語 井上ひさし原案「木の上の軍隊」

 劇作家井上ひさしが2010年に亡くなる直前まで実現に意欲をみせていた舞台「木の上の軍隊」が28、29の両日、広島市中区の上野学園ホールで上演される。

 1945年前後の沖縄県伊江島。終戦を知らないまま2年間、ガジュマルの木の上に潜伏した2人の日本兵がいた。そんな実話に基づく物語だ。

 沖縄出身の新兵(藤原竜也)と本土出身の上官(山西惇)のやりとりは、米軍基地をめぐる沖縄と本土の関係も投影。片平なぎさは11年ぶりの舞台だ。

 井上の原案を基に、若手の蓬莱竜太が脚本を書き下ろし。演出は、井上から厚い信頼を寄せられていた栗山民也が手掛ける。

 もともと10年夏に上演するはずだったが、井上の急逝でかなわなかった。原案でも主演が決まっていた藤原は「井上先生の思いがたくさん詰まっている。すてきなお芝居にしたい」。28日は午後7時、29日は午後1時半の開演。全席指定9500円。TSS事業部Tel082(253)1010。(松本大典)

(2013年5月18日朝刊掲載)

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