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今こそ9条改正ノー 大江氏らがアピール文

 作家の大江健三郎氏たちがつくった「九条の会」(東京)は17日、全国の憲法9条改正に反対する団体に改憲反対の声を大きくするよう呼び掛けるアピール文を発表した。大江氏は記者会見で、夏の参院選に向けた改憲論議の高まりに「憲法が、会をつくってから一番の危険にさらされている」と懸念を示した。

 東京都内であった会見には、大江氏と、会の呼び掛け人である東京大名誉教授(憲法)の奥平康弘氏、作家の沢地久枝氏が出席した。

 大江氏は「アジアの日本への信頼が今、崩れている」と指摘。「60年以上、守り続けてきた今の憲法を私たちは誇りとし、次世代に伝えるものとして強く押し出すべきだ」と訴えた。

 安倍晋三首相は改憲の国会発議要件を緩和する96条改正に強い意欲を表明。参院選の焦点となる見通しだ。奥平氏は「護憲のために政党は大同団結を」。沢地氏は「有権者は歴史的な一票を投じるという意識を持ってほしい」と強調した。

 九条の会は、作家の故井上ひさし氏たちを含めた9人が呼び掛け人となり、2004年に設立。これに呼応し、全国で7528団体(11年11月現在、準備中も含む)の「9条の会」が結成されている。(城戸収)

(2013年5月18日朝刊掲載)

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