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原発避難者が被爆者と交流 広島市中区

 広島市原爆被害者の会(片山春子会長)は18日、定例の交流会に福島第1原発事故で廿日市市に避難している等々力隆広さん(50)を招いた。放射線の影響に不安を抱える被災者を支援しようと、初めて企画した。

 交流会は中区であり、被爆者たち約30人が集まった。事故発生当時、福島市内に住んでいた等々力さんは、生後2カ月の長男と妻を真っ先に避難させた体験を振り返り、「心安らかな暮らしは奪われた」と訴えた。

 自らは1年後に避難へ踏み切った。「福島が安全か危険か、捉え方は人それぞれ。地域は分断されてしまった」と強調。「今後は中身のある被災者支援法が必要。広島の被爆者援護獲得の歩みに学びたい」と述べた。

 参加者からは励ましの言葉が相次いだ。被爆者の畠山裕子さん(74)=安佐南区=は「不安は手にとるように分かる。ヒロシマに何ができるのか考えていきたい」と話していた。(田中美千子)

(2013年5月19日朝刊掲載)

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