×

ニュース

米軍機低空飛行 中止働き掛け 島根県に要望へ 

 中国山地で繰り返されている米軍機の低空飛行訓練に対し、県から国に中止を働き掛けるよう求める地元自治体の動きが活発になっている。浜田、江津両市は、ことしの溝口善兵衛知事への重点要望に「中止」を明記して足並みをそろえた。(石川昌義、浜岡学、黒田健太郎)

 知事への重点要望に低空飛行訓練の中止を最初に求めたのは浜田市。昨年5月の知事要望で「激しい騒音が平穏な生活を乱している」と訴えた。27日に予定することしの要望では、「(広島県との)ドクターヘリの広域運航にも支障を与えかねない」と指摘。国による騒音測定器の設置や防音対策の予算措置を求める内容まで踏み込んだ。

 浜田市はことし2月、騒音被害が特に深刻な近隣の益田、江津両市と川本、邑南両町の首長に呼び掛けて「米軍機騒音等対策協議会」を創設。1日、浜田市であった県市長会定例会でも国による騒音調査の必要性を訴えるなど、活動を強化している。前木俊昭・安全安心推進課長は「市長会と知事要望という二つのルートを生かした方が、事態の深刻さが伝わる」と主張する。

 江津市も23日の知事要望に初めて「中止」を盛り込む。小笠原隆・総務部長は「浜田市と共同歩調をとることで広範囲の被害がはっきりする」と説明する。邑南町は、昨年9月の知事要望で騒音測定器の設置を柱とする騒音対策を求めた。

 一方、県西部の他市町は知事要望に、低空飛行訓練への対応を盛り込んでいない。益田市は「訓練中止は県市長会を通じて要望済み」(危機管理対策課)とするなど、温度差が生じている。

(2013年5月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ