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被爆75年の慰霊式中止 北広島町原爆被害者の会 感染など懸念

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、広島県北広島町原爆被害者の会が被爆75年の記念事業として7月8日に予定していた慰霊式の中止を決めたことが7日、分かった。5年に1度の開催だが、高齢の会員が会場に集まるリスクなどを踏まえて判断した。

 慰霊式は同町の千代田開発センターを会場に計画していた。会員の被爆者約370人のうち40~50人程度に加えて、来賓として町や町議会の関係者の参列を見込んでいた。

 会によると、町内の被爆者の平均年齢は87歳を超える。7月上旬の感染終息は困難な上、高齢者が集まるリスクなどを踏まえて、開催を断念した。費用の一部について助成を受ける予定だった県からも、再考を促されていたという。

 同会は例年、県被団協(坪井直理事長)が8月6日に広島市中区で開く慰霊式に参加する。それに加えて、被爆70年の2015年に独自の慰霊式を開催。今回は2回目の予定だった。

 同会の箕牧(みまき)智之会長(78)は「次の5年後の開催は難しい。最後と思って企画していたが、やむを得ない」と残念がる。準備していた記念品の配布だけをする方向で検討している。(明知隼二)

(2020年5月8日朝刊掲載)

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