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福島地区 昭和からの歩み 住民グループ 教育や医療 第3集

 広島市西区福島地区の住民でつくる「地域探訪・くすのきの会」が、昭和初期から現在までの地区のまちづくりを追った冊子「くすのきの記憶 第3集」を作った。教育や医療、福祉を主なテーマに、インタビューなどを通じて仕上げた。

 A5判72ページ。住民や地区内にあった小学校の元教員、福島診療所の医師たちの寄稿や、会員による住民の聞き取りなどを掲載する。タイトルは被爆し、戦後に伐採された地区のシンボルのクスノキにちなむ。

 戦中戦後の貧しい中での学校生活の思い出などがつづられる。小学校の講堂が住民たちの寄付で建ったエピソードをはじめ、診療所や特別養護老人ホームの建設に住民たちが尽くした経緯なども紹介。公営住宅の建設など住環境の移り変わりや、その後の老朽化などの課題も載せている。

 2017年発刊の第1集、19年の第2集は、クスノキへの思いや戦後復興などをテーマにした。「力を合わせて地域づくりに励んできた人たちのことを伝えたい」と同会の小西正則さん(80)。村田康昭代表(77)は「過去を振り返ると同時に、今の問題を考える契機にしたい」と話す。

 1冊500円。購入希望者は、地区にある市西地域交流センターに電話で問い合わせる。新型コロナウイルスの感染予防で17日まで閉館中で、訪問は受け付けていない。センター☎082(231)1472=平日のみ。(寺本菜摘)

(2020年5月12日朝刊掲載)

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