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原爆投下「神の懲罰」 ヒロシマ 怒りの声 松井市長「読むに堪えぬ」

 広島、長崎への原爆投下を「神の懲罰」と主張した韓国紙、中央日報のコラムに対し、広島市の被爆者や松井一実市長は23日、怒りの声を上げ、歴史認識をめぐって先鋭化する言葉の応酬を嘆いた。

 松井市長は「読むに堪えない」と厳しく批判し、「被爆者や核兵器をなくそうとする日韓の国民の思いを傷つけるのはやめてほしい」と訴えた。

 中央日報は、原爆投下を「日本への仕置きが足りないと判断するのも神の自由だ」とも記した。広島県被団協の坪井直理事長(88)は非戦闘員の大量殺りくを肯定するような論調を疑問視し、「こういう考えを乗り越えない限り恒久平和は実現できない」と強調した。

 もう一つの県被団協(金子一士理事長)の吉岡幸雄副理事長(83)は、戦争責任への日本側の姿勢に言及。安倍晋三首相や日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長の言動に触れ、「歴史を顧みない発言をするから泥仕合になる」と語った。

 韓国原爆被害者対策特別委員会の丁基和(チョンキファ)事務局長(54)は「日本の歴史認識を改めさせようとするコラムの趣旨は分かる」としつつ、「罪もない市民が犠牲になっていいはずない」と批判。広島県朝鮮人被爆者協議会の李実根(リシルグン)会長(83)も「植民地支配の歴史と原爆投下を一緒に考えるのはおかしい」と話した。(岡田浩平、田中美千子)

(2013年5月24日朝刊掲載)

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