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広島市が交渉中止要請 日印原子力協定 「NPT空洞化招く」

 日本とインド両政府が原子力協定の交渉再開で合意する見通しとなったのを受け、広島市の松井一実市長は24日、安倍晋三首相と岸田文雄外相宛てに、交渉を再開しないよう求める要請書を出した。

 協定は日本から核兵器保有国のインドへの原発技術の供与を可能にする。文書はインドが核拡散防止条約(NPT)に加わっていないことを踏まえ、「協定締結はNPT体制の空洞化を招きかねない」と指摘。「到底納得しがたく、中止以外に道はない。日本は核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ必要がある」と訴える。

 同日、滝川卓男・市東京事務所長が外務省へ持参した。

 安倍首相は今月29日、東京でシン首相との会談に臨み、交渉再開で合意する見通しだ。広島市は2010年7月にも長崎市と連名で、交渉中止を求める要請書を外務省へ送っている。(田中美千子)

(2013年5月25日朝刊掲載)

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