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原爆資料館1日再開 密集や密接 防止策徹底

 新型コロナウイルスの影響で臨時休館していた原爆資料館(広島市中区)が6月1日、約3カ月ぶりに開館する。被爆75年の節目の夏を前に、来館者の密集や密接を避ける感染防止対策を徹底しての再開となる。音声ガイドの貸し出しやボランティアによる案内などは引き続き見合わせる。(明知隼二)

 資料館は再開に合わせて、被爆資料を保護するのを目的に、展示品の一部を入れ替える。東館地下1階では、2018年度に寄贈を受けた資料を展示する新着資料展をスタート。被爆時に身に着けていた衣類など132点を紹介する。

 同じフロアの廊下では、19年12月公開のアニメ映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の複製の原画や下絵、絵コンテなどのパネル展示も始める。

 再開後は当面、人の密集と密接を避けるため、整理券を発行して入館者数を制限する。上限は30分当たりで100人、1日当たりで1800人に設定した。5人以上の団体は、家族連れを除いて受け入れない。

 開館時間は午前8時半~午後6時で変わらない。入り口は東館西側の1カ所に絞り、サーモグラフィーで発熱がないかを確認する。館内でも互いに2メートル程度は離れるよう呼び掛ける。

 資料館の臨時休館は、新型コロナの流行を踏まえて2月29日に始まった。当初は3月15日までの予定だったが、国内外での感染拡大を受けて、市が6回にわたって延長を決定。政府による緊急事態宣言が全面解除され、再開が決まった。

(2020年5月31日朝刊掲載)

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