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復興への思い共有 宮城県農業高生と五日市高生 広島で再会「放射線」学ぶ

 東日本大震災の津波で校舎が浸水し、移転を余儀なくされた宮城県農業高(名取市)の3年生4人が24日、広島市を訪れ、昨年11月に被災地支援のため同校を訪ねた五日市高(佐伯区)の生徒と半年ぶりに再会した。放射線など原爆被害について学び、復興への思いを語り合った。(増田咲子)

 宮城県農業高生は、五日市高の体育館で全校生徒946人の出迎えを受けた。支援のお礼として復興スローガン「顔晴(がんば)ろう」と書かれたTシャツや法被をプレゼント。津波で校舎が壊れ、近くの学校に設けた仮設校舎で授業をするなど、今も続く影響について説明した。

 宮城県を昨秋訪れた五日市高生13人と、原爆や被災地復興のために何ができるかについて意見を交換。「どうすれば早く復興できるか」との質問には、福島第1原発事故による農作物の風評被害を懸念する声が出た。「検査で安全が証明された物は安心して食べてほしい」と呼び掛けていた。

 五日市高は、被爆直後、けがをしながら路面電車を走らせた被爆者をインタビューした放送部制作のドキュメンタリーを披露。原爆被害や復興を支えた人々の思いを紹介した。

 宮城県農業高の渡辺ゆみさん(17)は「広島の復興の歩みを参考にしたい」。五日市高3年の大屋佑実さん(17)は「放射線について正しい知識を伝え、復興に向けて一緒に頑張りたい」と話していた。

 宮城県農業高の生徒と校長は、被災地を支援する中国新聞社などの「届けよう 希望 元気 キャンペーン」の一環で招待。25日午後1時から広島国際会議場(中区)であるシンポジウム「核なき世界へ 広げようヒロシマ発信」(ヒロシマ平和創造基金、広島国際文化財団、中国新聞社主催)に出て、被災地の現状を報告する。五日市高生も被災地訪問で感じた思いを発表する。無料。同時通訳付き。

(2013年5月25日朝刊掲載)

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