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歌で根付け「平和の種」 柳井中2年生(柳井市)が合唱曲創作 

 未来に植えよう平和の種を―。山口県柳井市柳井の柳井中2年生が合唱曲「平和の種」を作った。歌詞には、原爆の惨禍を学ぶ中で抱いた生徒一人一人の思いを紡いだ。被爆ピアノの伴奏に乗せ30日、広島市中区の原爆ドーム前で披露する。(久保田剛)

 同校の2年生は毎年、広島市の平和記念公園などで平和学習に取り組んでいる。ことしも被爆体験の語りを収録したDVDや被爆地の写真パネルなどを通じて学んできた。

 「平和の種」の歌詞は、2年生約180人がその感想をまとめた詩を基にした。クラスごとに1編にまとめ、さらに生徒7人の合唱実行委員会が印象に残る言葉を集めて、合唱曲に仕上げたという。

 「奪われた夢 消えかけた希望」「植えよう 焼けた大地に 平和の種を」。24日の全体練習で指導役も務めた実行委員長の立場優子さん(13)は「種という言葉を大切に思い、さびに使った。世界全ての人に平和への祈りを届けたい」と話す。

 30日は原爆の子の像に全員の詩をささげ、午前10時15分ごろから、合唱する。被爆ピアノを演奏する岩崎歩未さん(13)は「一つ一つの音を大切に弾きたい」。曲作りを担当した窪田真歩さん(13)は「悲しさにとどめず、明るい曲にした。被爆者の心に寄り添い、未来への希望を伝えたい」と話していた。

(2013年5月25日朝刊掲載)

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