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救護被爆の手帳交付 新指針策定へ 広島・長崎4県市が合意

■記者 東海右佐衛門直柄

 救護被爆者としての被爆者健康手帳の交付要件を見直す広島、長崎4県市の初会合が14日、広島市内であった。手帳交付申請の却下処分をめぐって広島市が敗訴した3月25日の広島地裁判決を精査し、新たな交付要件の統一指針をつくることで合意した。

 中区地域福祉センターであった非公開の会合には4県市の担当者14人が出席。広島市が、「入市被爆」と認められない区域で救護や看護などに従事し、被爆が認定された元原告7人の当時の状況や、控訴を断念した経緯を説明した。

 4県市は今後、元原告が被爆した寺や学校の広さや収容人数、部屋の閉鎖性などを詳細に分析し、専門家の知見を交えて新たな指針を策定する。広島市原爆被害対策部の国本善平部長は「できるだけ早急に考え方をまとめたい」としている。

 地裁判決は「被爆者が多数いた環境に相応の時間とどまり、放射線の影響を受けたことを否定できない」と指摘。広島市は今月7日に控訴断念を表明するとともに「1日10人以上の輸送、救護、看護」としていた従来の内部要件を廃止した。

(2009年4月15日朝刊掲載)

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