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小頭症の支援強化を 「きのこ会」総会 高齢化進み危機感

 原爆小頭症患者や家族、支援者でつくる「きのこ会」は26日、広島市東区で年1回の総会を開いた。この1年で患者1人と、母親1人が亡くなったことが報告され、老いが進む中、支援体制強化の必要性があらためて浮き彫りになった。

 広島市や三次市に住む患者8人を含む約40人が参加。長岡義夫会長(64)=広島市安佐南区=は「患者と家族が心安らかに暮らせるよう、残された私たちが頑張る」とあいさつ。2人の冥福を祈って、全員で黙とうした。

 総会では、2011年度から患者専任の相談員を配置している広島市のような充実したケアが、国の責任で全国で受けられるよう引き続き要望することを確認した。この日は、手厚いケアを求めて18日に大阪府門真市から広島市に引っ越してきた患者の吉本トミエさん(67)も参加した。

 亡くなったのは、患者の小草信子さんと、戸田礽美(なるみ)さん(67)=西区=の母ユキヨさん。小草さんは、世話をしてくれていた父親の死亡後、愛媛県内の病院に入退院を繰り返していたが、3月に亡くなった。ユキヨさんは4月に93歳で死去。会に17人いる患者のうち母親が健在なのは、1人だけになった。

 原爆小頭症の認定患者は2012年3月末で全国に21人いた。(増田咲子)

(2013年5月27日朝刊掲載)

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