被爆石仏撮影 ヒロシマ発信 広島市西区の清水さんが作品集
13年5月28日
広島市西区の写真愛好家で、被爆した石仏の写真を撮りためてきた清水顕さん(62)が、作品集「地蔵の記憶」を自費出版した。被爆2世の清水さんは「被爆体験を風化させないため、自分なりの発信がしたい」と刊行した。(田中美千子)
作品集は20センチ四方で全120ページ。市内41カ所で撮影した115枚を収めた。原爆の影響で欠けたり、亀裂が入ったりした石仏が目立つ。写真の説明や後書きは日英両文でつづった。市立図書館などに寄贈した。
撮り始めたのは、印刷会社に勤めていた2009年夏。県外の知人を中区の原爆ドームに案内した際、近くの寺の被爆地蔵に初めて気付いた。「ショックだった。ヒロシマを知っている気になっていたから」。会社を退いた翌10年から、寺巡りと撮影に打ち込んだ。
02年に89歳で亡くなった母シズエさんの影響も大きい、という。シズエさんは爆心地から3・7キロの大洲町(現南区)で被爆。顔中にガラスを浴びた。「母から聞いた被爆者の姿が傷ついた石仏に重なった。石仏が無言で伝える記憶を受け止め、後世につなぎたい」と清水さん。
作品集は2100円。6月22日~7月7日、中区の旧日本銀行広島支店で収録作品の展示会も開く。無料。作品集の購入希望は、清水さんの携帯電話080(4261)9722。
(2013年5月28日朝刊掲載)
作品集は20センチ四方で全120ページ。市内41カ所で撮影した115枚を収めた。原爆の影響で欠けたり、亀裂が入ったりした石仏が目立つ。写真の説明や後書きは日英両文でつづった。市立図書館などに寄贈した。
撮り始めたのは、印刷会社に勤めていた2009年夏。県外の知人を中区の原爆ドームに案内した際、近くの寺の被爆地蔵に初めて気付いた。「ショックだった。ヒロシマを知っている気になっていたから」。会社を退いた翌10年から、寺巡りと撮影に打ち込んだ。
02年に89歳で亡くなった母シズエさんの影響も大きい、という。シズエさんは爆心地から3・7キロの大洲町(現南区)で被爆。顔中にガラスを浴びた。「母から聞いた被爆者の姿が傷ついた石仏に重なった。石仏が無言で伝える記憶を受け止め、後世につなぎたい」と清水さん。
作品集は2100円。6月22日~7月7日、中区の旧日本銀行広島支店で収録作品の展示会も開く。無料。作品集の購入希望は、清水さんの携帯電話080(4261)9722。
(2013年5月28日朝刊掲載)