×

ニュース

原爆病院改修 旧本館の被爆窓枠移設 メモリアルパークを整備 

 病棟の改修を進めている広島赤十字・原爆病院(広島市中区)は、正門脇にある旧本館の被爆窓枠のモニュメントを、市道を挟んだ日本赤十字社県支部の敷地内に移設する。新たに整備する「メモリアルパーク」に、原爆で犠牲になった病院職員の慰霊碑などと一緒に展示する。工事は6月1日夜から2日未明にかけて行う。(田中美千子)

 前身の広島赤十字病院は爆心地の南約1・5キロの現在地にあった。原爆で職員51人が犠牲になりながら、被爆者の治療に尽くした。旧本館は被爆後も活用され、爆風でゆがんだ窓枠も残された。

 1993年、建て替えに伴って旧本館を取り壊した際、建物をL字形に切り取って窓枠2面を保存。コンクリート製の台座に載せてモニュメントにし、敷地東側の正門付近に設置した。

 ことし1月に始まった現病院の改修工事では、正門付近が新病棟の用地になる。このためモニュメントは、南西に約140メートル離れた日赤県支部の敷地内に整備するメモリアルパークに移設することになった。

 メモリアルパークは約640平方メートル。慰霊碑や被爆直後の広島に医薬品を届けたマルセル・ジュノー医師のレリーフなど七つのモニュメントも置き、芝生ゾーンも設ける。

 広島赤十字・原爆病院の脇谷孔一事務副部長は「メモリアルパークには修学旅行生も受け入れ、体験を語り継ぎたい」としている。  モニュメントの移設工事に伴い、2日午前0~2時と同3~5時、周辺の市道は車両通行止めとなる。

(2013年5月30日朝刊掲載)

年別アーカイブ