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被爆桜 海外へ届け 広島の高校生 押し花送る

 新型コロナウイルスの影響で広島訪問の計画を取りやめた海外の市民や学校に向けて、市内の高校生2人が手作りの被爆桜の押し花シートを贈る活動をしている。「距離は離れていても平和を願う気持ちを共有したい」との思いを込める。

 いずれも広島女学院高1年の中原調さん(15)と石山愛子さん(16)。爆心地から1・8キロで被爆した碇神社(中区白島九軒町)のソメイヨシノの開花時期に、花びらを採集。乾燥させ、十数個から20個ほどを並べて専用シートに挟んだ。

 2人は中区のNPO法人「ANT―Hiroshima」で活動している。英国在住の写真家ストー・リーさんには「平和の思いが届くことを願っています」などのメッセージを添えて郵送した。被爆樹木に関する映像作品を制作するため、同法人の協力を得て4月から広島市内での撮影活動を計画していた。

 海外の学校などから新型コロナの収束を願う千羽鶴が同法人に届いており、2人が平和記念公園の原爆の子の像にささげるとともに押し花シートをお返しに送る予定だ。

 中原さんは「今は互いに支え合うことが大切」。石山さんは「いつか平和について直接語り合いたい」と話している。(新山京子)

(2020年6月22日朝刊掲載)

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