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外国人 ヒロシマに共感 原爆資料館・ドーム 2年連続人気1位 

 広島市中区の原爆資料館と原爆ドームが、世界最大の旅行口コミサイトがまとめた外国人に人気の国内観光地ランキングで2年連続の1位になった。廿日市市の厳島神社も2年連続4位。名だたる観光地を抑え、広島県内の二つの世界遺産が外国人を引きつける。

 原爆資料館には30日、約6千人が訪れた。このうち約370人が外国人で、被爆直後の市街地の模型や被爆者の遺品を熱心に見詰めていた。米アラバマ州の会社員ロバート・エリスさん(57)は「心を動かされた。広島で何が起きたかを学べた」と語った。

 毎月2億人が見るサイト・トリップアドバイザー(米国)。投稿数などではじいた2012年度の「外国人に人気の日本の観光スポット」で、資料館と原爆ドームが11年度に続きトップだった。

 資料館を訪れた外国人が「地球上全ての人が見るべきだ」「入る前と別人になる」などと書き込み、12年度の評価は5段階評価で平均4・8点。より多くの人に訪れてほしい、と感じているのが特徴といえる。

 12年度の資料館の外国人入館者数は15万4340人。東日本大震災の影響で入館者が減った11年度に比べ5万7830人増えた。志賀賢治館長は「2年連続1位はうれしい。多くの外国人に被爆の実態を知ってもらいたい」と期待する。

 県観光連盟の理事を務める比治山大の山田知子教授(地域福祉学)は「原発事故を受け、世界的に核や平和への関心が高まっているのかも」とみる。

 厳島神社には「水上の鳥居は目を見張る」などと景観をたたえる書き込みが多い。宮島を訪れた外国人は11年にピーク時の半数以下の約6万5千人に減ったが、12年は約9万7千人に持ち直した。

 ランキングの2位は伏見稲荷大社(京都市)、3位は東大寺(奈良市)だった。(野崎建一郎、荒木紀貴、村上和生)

(2013年5月31朝刊掲載)

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