×

ニュース

かがり灯の祭典中止 実行委「密集避けられず」

 毎年8月5日夜、広島市中区の原爆ドーム前の元安川にかがり火を浮かべて平和と鎮魂を願う「ひろしまかがり灯の祭典」の実行委員会は、今年の祭典を中止する。見守る人たちの密集が避けられず、新型コロナウイルスの感染を完全には防げないと判断した。

 祭典は被爆70年の2015年に始めた。元安川に浮かべたいかだにかがり火を載せ、市民が平和への祈りや夢を書いた「願い札」をくべる。種火は平和記念公園(中区)の「平和の灯(ともしび)」から採る。昨年は5台のいかだで25基のかがり火をともした。

 祭典を主催し、広島市民たちでつくる「100年後の広島を創ろう委員会」の折笠広司代表(71)は「海外から合唱団を招く予定もあったので、残念だ。来年は新型コロナで亡くなった方を慰霊する思いも込めて催したい」と話している。(寺本菜摘)

(2020年6月24日朝刊掲載)

年別アーカイブ