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米大統領の広島訪問要請 安倍氏、副大統領と会談

 訪米中の安倍晋三元首相は15日、ホワイトハウスでバイデン米副大統領と会談し、今秋の可能性が取りざたされているオバマ大統領の初来日に際し、被爆地である広島、長崎への訪問を検討するよう要請した。

 実現すれば第二次大戦後、米大統領が初めて両市を訪れる歴史的な機会となる。ただ原爆投下に対する「謝罪」とも受け取られかねないため、米国内保守派の反発は必至。オバマ氏は慎重に判断するとみられる。安倍氏はオバマ氏の目指す核廃絶構想に日本として協力を約束する麻生太郎首相親書も手渡した。

 会談後の安倍氏の説明によると、安倍氏は「日本は唯一の被爆国であり、大統領訪日の際にはそういうことを念頭にしてもらいたい」と伝えた。副大統領から明確な諾否の返答はなかったという。オバマ氏が今月、訪問先のプラハで米大統領としては踏み込んだ核軍縮演説を行ったことを念頭に、日本側には被爆地訪問でも従来の米指導者とは違う対応を取るのではとの期待感がある。

 北朝鮮のミサイル実験について、安倍氏は「アジアには冷戦構造が残っており、日米同盟の一層強化が必要だ。日朝間には拉致問題もある。対話と圧力の姿勢で解決するしか道はない」と指摘。副大統領は「国連安全保障理事会で、強い内容の議長声明を出すことができたのは日米が協力をした結果」と両国連携の意義を強調した。

 核軍縮に関し副大統領が「同盟国の支持は心強い」と歓迎の意向を示したのに対し、安倍氏は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に向け、米国として批准の努力を急ぐよう促した。

(共同通信2009年4月15日配信、4月17日朝刊掲載)




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