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震災後の民俗学語る 周防大島で赤坂さん

 NPO法人周防大島郷土大学は1日、山口県周防大島町平野の東和総合センターで、民俗学者で学習院大教授の赤坂憲雄さん(60)の講義を開いた。赤坂さんは東日本大震災後の視点から民俗学や町出身の民俗学者宮本常一について語り、住民たち約50人が聞き入った。

 赤坂さんは被災地で民俗芸能の復興が早かったことについて「多くの夏祭りや民俗芸能のテーマが鎮魂や供養なのと深い関わりがある」と指摘。震災後の民俗学の役割について「『災害民俗学』という視点で、宮本さんの発言に防災のヒントが隠されていないか著作を調べてみたい」と述べた。

 宮本が残した10万枚の写真を「途方もない財産」と評価。宮本の著書「忘れられた日本人」を取り上げ、「優れた文学作品として、柳田国男の『遠野物語』とともに後世に残る」と強調した。

 赤坂さんはかねて「東北学」を提唱。復興構想会議委員を務め、近著に「3・11から考える『この国のかたち』」などがある。(久行大輝)

(2013年6月1日朝刊掲載)

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