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ユニタール広島発 紛争跡地に「平和公園」建設 第1弾はアフガン

■記者 桑島美帆

 国連訓練調査研究所(ユニタール、本部スイス・ジュネーブ)は、世界各地の紛争跡地に平和を祈る公園などを設けていく国際プロジェクト「平和のための建設」に乗り出す。広島事務所(広島市中区)が16日、計画を発表した。まずアフガニスタンの首都カブールで平和公園建設を目指す。

 原爆の爆心地に近い中区の平和記念公園の建設経過を基に、広島事務所が企画した。スイスのローザンヌ工科大と共催し、各国の大学建築学部や設計事務所などを対象に建設プランを公募。建設資金は各国政府や国際機関に提供を呼びかける。

 第1弾となるカブールでは、1979年のソ連侵攻や1990年代の内紛で破壊された宮殿や劇場の跡地などが候補地。今後、現地との折衝で場所を絞り込むとともに、来年1月からプランを募る。最優秀作を「ユニタール国際建築賞」に選定したうえで実現を図る。

 広島事務所のナスリーン・アジミ所長は「広島の平和記念公園は強く訴えるものがある。まずアフガニスタンでプロジェクトを進め、他の紛争跡地へも広げたい」と話している。

 広島事務所は24日午後4時から、平和記念公園内の原爆資料館東館でシンポジウムを開催。アフガニスタンの文化遺産機関関係者らがプロジェクトの意義などを話す。

(2009年4月17日朝刊掲載)

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