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記者の卵 被爆地学ぶ 米の学生9人 資料館など訪問

 全米大学ジャーナリズム賞を今年受賞した大学生9人全員が、日本研修ツアーの一環で被爆地広島を訪れた。広島市中区の平和記念公園や原爆資料館を見学し、原爆被害について学んだ。

 公園内の原爆の子の像や被爆アオギリを見て回り、資料館へ。ピースボランティアによる英語のガイドで、被爆前後で大きく変化した街並みの模型や、中学生が当時着ていた服などを見学。やけどした被爆者の写真の前では沈痛な面持ちで見入っていた。

 中国新聞社(中区)も訪問。田城明ヒロシマ平和メディアセンター長から話を聞いた。米国でも核開発の過程でヒバクシャが多く生まれている記事などを紹介され、「隠された真実を掘り起こすような取材をしてほしい」と激励された。

 インディアナ大3年ジェシカ・コントレラさん(21)は「平和を目指し、世界にメッセージを発信し続けているヒロシマに心を動かされた。歴史を踏まえ、さまざまな事実を伝えられるようになりたい」と話していた。

 同賞は、ジャーナリズム教育を支援する米スクリップス・ハワード財団がインディアナ大の協力で1984年に創設。今年は学生新聞で活動したりメディアで実習したりした応募学生65人の中から、優れた記事などを手掛けた9人が選ばれた。

 日本には5月25日~6月1日滞在。広島のほか、京都、大阪、東京などを訪れた。(増田咲子)

(2013年6月3日朝刊掲載)

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