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カンボジアの子に絵本を 安佐南区の団体 「夢持つ助けに」

 広島市安佐南区のボランティア団体「ひろしま・カンボジア協会」がカンボジアの小学校に、絵本をクメール語に翻訳して贈る準備を進めている。年内をめどに約60冊を届け、貧しい暮らしを強いられている児童の教育に役立てる。

 絵本は、会員に無償提供を呼び掛けている。既に「はらぺこあおむし」など7冊を、広島市のNPO法人が首都プノンペンで運営する交流施設「ひろしまハウス」に依頼し、翻訳した。

 送り先はプノンペンの北西約250キロにあるシェムリアップ州のオー村小で、児童約600人が通う。教科書は1人1冊行き届かず、図書室にある絵本もほとんど寄付に頼っているという。

 南区で飲食店を開く同小卒業生のリー・サルーンさん(35)の案内で、2011、12年に同小を訪れた会員が発案した。松野厚子さん(68)は「絵本を読んだとき、子どもたちが熱心に聞いていた。視野を広げ、夢を持つ助けになれば」と話す。

 翻訳はひろしまハウスで日本語を学ぶ学生に有償で依頼する予定だ。荒谷正子会長(67)は「内戦で苦しんだ子どもたちに、命の尊さを伝える平和関連の本も贈りたい」と意気込む。(新山京子)

(2013年6月3日朝刊掲載)

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