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「許せぬ」「いつまた」 住民ら憤りや不安 米軍岩国基地

 米軍岩国基地(岩国市)海兵隊の戦闘攻撃機が高知県沖で墜落した事故を巡り、同基地に未熟な操縦士が集まっていると海兵隊の報告書が指摘していることに対し、地元住民からは「許せない」との憤りや「また事故が起きるのでは」と不安の声が上がっている。

 「未熟な操縦士が日本の空を自由に飛び、空中給油のような危険な訓練をやっていたとは。許せない」。元岩国市議で基地監視団体リムピースの田村順玄共同代表は怒りをあらわにした。廿日市市の住民団体「岩国基地の拡張・強化に反対する広島県住民の会」の坂本千尋共同代表は「低空飛行の騒音に悩む住民は多い。いつまた事故が起こるのかと、ますます不安になる」と訴えた。

 高知県沖の事故を巡っては米側が昨年9月に事故報告書を公表。再検証した今回の報告書は当初の事故機のパイロットの問題ではなく、人員配置を含めた組織的な原因を強調している。市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典顧問は「昨年10月から再調査をしていたことさえ住民には伝えられていない。地元自治体は米側に説明を求め、組織的な問題をどう改善しているのか、明らかにするべきだ」と述べた。

 岩国市基地政策課の村上武史課長は「国に詳細な説明を求めており、情報を待って適切に対応したい」と話した。(永山啓一)

(2020年7月11日朝刊掲載)

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