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[コロナ禍の8・6] あの日伝える 被爆証言再開 原爆資料館 4ヵ月半ぶり

 原爆資料館(広島市中区)は15日、新型コロナウイルスの影響で臨時休館に入った2月末以来、約4カ月半ぶりとなる館内での被爆証言を実施した。8歳で被爆した岡田恵美子さん(83)=東区=が修学旅行生に対して、感染防止の透明のついたて越しに自らの経験を語った。

 訪れたのは兵庫県明石市の小学6年生85人で、再開後で初の修学旅行生となる。資料館は子ども同士の距離を空けるため、300人以上を収容できる東館地下1階のホールを会場として用意し、1席ずつ空けて着席してもらった。

 岡田さんは手製のマスク姿でステージに上がり、アクリル製の透明のついたての前に座って証言。女学校1年だった12歳の姉を失った経験を伝え「若い皆さんには平和のため、言葉だけではなく行動を起こしてほしい」と語り掛けた。

 資料館は新型コロナの影響で2月29日から5月31日まで臨時休館した。6月1日に開館へこぎ着け、今月1日には修学旅行生たち団体客の受け入れと被爆者による証言活動などを解禁していた。(明知隼二)

(2020年7月16日朝刊掲載)

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