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大和物語る常設展示 呉 ミュージアムに引き揚げ品

 広島県呉市の大和ミュージアムの常設展示に、2016年に海中から引き揚げられた戦艦大和の装備品6点が加わった。新型コロナウイルスの影響による臨時休館から再開した同館の新たな魅力となっている。

 6点は、口径46センチと世界最大級を誇った主砲用の火薬缶や、攻撃目標までの距離を測る測距儀、いかりマーク入りの電気スタンドなど。市の委託を受けて16年、鹿児島県南西沖の大和の沈没海域を潜水調査した呉市発祥の深田サルベージ建設(大阪市)が、調査後に独自に引き揚げて市に寄贈した18点の一部。

 同館は昨年4月~今年1月に開いた企画展で、18点全てを初公開した。県内外の約31万5千人が来場し、展示継続を願う声もあった。杉山聖子学芸員は「実物を通して、大和に集約された高い技術や歴史を感じ取ってほしい」と話している。

 常設展示はこのほかにも内容を更新。1945年7月に旧日本軍の攻撃を受けて現在の広島市佐伯区に墜落した米軍のB24爆撃機タロア号の破片のほか、陶器製のアイロンなど戦時下の暮らしがうかがえる史料も並べた。新しい展示は2月に始まったが、同館は新型コロナのため3月2日から休館に入り、6月3日に再開した。(浜村満大)

(2020年7月16日朝刊掲載)

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