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原爆詩朗読 動画で配信 広島県の演劇人 劇団の枠超え 22日スタート 

 広島県内の演劇人らが劇団の枠を超えて協力し、原爆詩を朗読する動画づくりに取り組んでいる。新型コロナウイルスの影響で演劇活動がままならない中、広島の劇団「演劇集団ふらっと」が呼び掛けた。動画は「声でつなぐ祈り」と題し、インターネットのユーチューブで22日午後7時から無期限で配信する。(里田明美)

 参加する劇団はふらっとのほか、劇団Tempa(テンパ)、INAGO―DX(イナゴデラックス)など。朗読団体や朗読ボランティアも合わせ、10~80代の計31人が出演する。初めて原爆詩を読む人も少なくないという。それぞれがリモートで稽古に励んでいる。

 朗読は、峠三吉の「原子雲の下より」をはじめ、峠が集めた子どもたちの原爆詩「行李の中から出てきた原爆の詩」、いわさきちひろの「わたしがちいさかったときに」などから30編を取り上げる。無名の子どもたちの詩もある。

 演劇ユニット「六タイル」の劇団員伊藤たえは、原爆投下から7年後に小学2年の女子が残した原爆詩を読む。「たった6行なのに、心にしみる作品。目の前にどのような風景が広がっていたのかが伝わってくる」と話す。

 「演劇集団ふらっと」で演出を手掛ける梅屋サムは「思うように活動できない中、広島の演劇人みんなで原爆を考えるきっかけにしたい。次の世代にどう伝えていけばよいのか考えていきたい」と語る。

 「広島演劇人がYouTubeで読む被爆体験詩」で検索。視聴は無料。

(2020年7月18日朝刊掲載)

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