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平和と古里 平山絵画の原点 瀬戸田で70点 人生の道たどる

 尾道市瀬戸田町の平山郁夫美術館で、「平山郁夫の原点 瀬戸内とシルクロード」展が開かれている。幼い頃から感性を育んだ風景や、日本画家として成功の道を切り開いたテーマをたどる。9月18日まで。

 瀬戸内しまなみ海道や敦煌の遺跡、アフガニスタンの大石仏などを描いた約70点。「瀬戸田曼荼羅(まんだら)」は、中央の円内に同町の国宝向上寺三重塔と陽光に輝く瀬戸内海、周囲に海を泳ぐ無数の魚を配した。平山さんが好んで使った群青、金、緑が際立つ。来島海峡大橋(愛媛県今治市)を雄大に描いた幅5・45メートルの大作もある。

 タジキスタンの4千メートル級の山岳地帯をラクダに乗って行く人々の姿を描いた作品は、高みを目指そうとする自身を重ねたという。シリアの市場に集う人々と羊や牛の群れに平和への思いを込めた作品もある。幸野昌賢学芸員は「道から生まれる人々の交流こそが平和の礎、というメッセージを感じてほしい」と話している。

 会期中無休。一般920円、高大生410円、小中学生210円。(持田謙二)

(2020年7月19日朝刊掲載)

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