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[コロナ禍の8・6] 「ノーモア」 動画で発信 平和首長会議、被爆者らと訴え

 平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は20日、新型コロナウイルスの影響で広島を訪れることができない人に向けて、広島、長崎両市長や被爆者、各国の代表たち23人が寄せたメッセージを約7分間にまとめた動画を作った。被爆75年事業の一環で、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで発信している。

 14歳の時、学徒動員先の軍需工場で被爆した梶本淑子さん(89)=西区=は、父親を1年半後に亡くし、母親は20年間原爆症で苦しんだ体験を語っている。自身の体にもガラスが突き刺さり、がんを患った。「被爆者は今でも苦しみ続けている」と、原爆ドーム(中区)の前で訴えている。

 松井市長は核兵器廃絶へ向けて「全ての国が自国中心主義ではなく、人道的立場の下、行動するべきだ」と強調する。国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長や、米国やロシアなど14カ国で加盟する14都市の代表たちも登場している。

 最後には松井市長と長崎市の田上富久市長を除く出演者21人が一斉に、コンセプトの「ノーモア・ヒロシマ!ノーモア・ナガサキ!」と呼び掛けている。

 会議のツイッターやフェイスブックでも流している。事務局の広島平和文化センター(中区)は「多くの人に『いいね』やハッシュタグを付けてコメントしてもらい、核兵器廃絶に向けて共感の輪を広げたい」としている。(寺本菜摘)

(2020年7月21日朝刊掲載)

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