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平和の式典 3密回避 8・6笠岡 初の会場変更 

 広島に原爆が投下された8月6日に毎年、笠岡市内で開いている市原爆死没者鎮魂式と平和祈念のつどいの会場がことし、かさおか平和のひろば(同市笠岡)から、市保健センター(十一番町)に変更される。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため「3密」を回避するのが理由。初回の2001年から、会場が変わるのは初めて。(谷本和久)

 両行事は、市や市原爆被爆者会などでつくる市非核平和都市宣言啓発実行委員会が主催している。会場のかさおか平和のひろばは国道2号沿いで、傾斜地であるなど制約が多く、行事に使用できる場所が限られている。さらに、参列者席には日よけ用のテントを設営するため、密集が避けられない。

 ことしの開催について話し合った6月末の実行委会議では、中止しない方針とともに、3密回避のための会場変更が提案され、今月中旬、広いスペースが確保できる市保健センター2階のギャラクシーホールでの開催が決定した。

 計画では、ホール内に祭壇と代用の鐘を置き、献花の後、鐘を鳴らし、原爆投下の午前8時15分に1分間黙とうする進行は例年通り。ただ、同ひろばにある平和祈念モニュメントなどはスライドでスクリーンに上映する。また、一般参加を呼び掛けず、参列者数を例年の約60人から約40人に縮小する。

 市などによると、00年に約120人いた市内の被爆者は現在35人。平均年齢は87歳に上る。市原爆被爆者会事務局長の上小城昌昭さん(80)は「モニュメントのあるひろばでできないのは残念だが、中止にならなくてほっとしている。継続に意味があり、あらためて平和を考える機会にしたい」と話している。

(2020年7月23日朝刊掲載)

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