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[コロナ禍の8・6] 広島一中の犠牲者追悼 国泰寺高で慰霊祭 在校生ら平和祈る

 広島市中区の国泰寺高で26日、前身の旧制広島一中の原爆死没者慰霊祭があった。新型コロナウイルスの感染予防で参列席を減らし、昨年の約4分の1の約90人が出席。犠牲になった生徒353人と教職員16人を追悼し、平和を祈った。

 参列した遺族や在校生は検温や手の消毒をし、校内の慰霊碑「追憶之碑」の前に間隔を空けて座った。在校生を代表し、2年住田真珠(まこと)さん(16)が「戦争は夢、希望、笑顔を奪ってしまう。平和の尊さを発信したい」と追悼の言葉を読み上げた。参列者は献花し、手を合わせた。

 1945年8月6日に登校して被爆した当時の1年生のうち、唯一の生存者となった児玉光雄さん(87)=南区=も花をささげた。今月、腰椎を骨折したが、同級生たちを思って「絶対に出んと」と車いすで参列。「核兵器の正体を全世界の人に知らせにゃあいけん」と声を絞り出した。(水川恭輔)

(2020年7月27日朝刊掲載)

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