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9条守る決議 被団協が採択 改憲の動きけん制

 日本被団協は5日、東京都内での定期総会で、憲法改正の動きに対抗し、憲法9条を守る特別決議を採択した。被爆70年に向けた被爆者からの聞き取り活動の強化など本年度の運動方針も決め、閉会した。

 特別決議は「憲法9条を生かすことこそ被爆国の使命」と訴え、自民党などによる憲法改正の動きをけん制。戦争放棄や戦力不保持をうたう9条の条文を「21世紀の規範として世界に誇れる」と強調した。

 田中煕巳(てるみ)事務局長は、閉会後の記者会見で「憲法を前面に出した決議は初めて。被爆者は(改憲の動きを)心配している」と述べた。

 運動方針は、被爆者への国家補償や原発ゼロなど6項目が柱。被爆者証言の聞き取りや、各県被団協が収集してきた資料の保存活動にも力を入れる。

 総会では、厚生労働省の原爆症認定制度の在り方に関する検討会への不満の声も聞かれた。20回の会合を重ねても結論が出ないことに「高齢の被爆者の切実な状況が分かっていない」などの意見が相次いだ。(藤村潤平)

(2013年6月6日朝刊掲載)

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