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若者 核軍縮の道筋探る ICAN講座 ネットで開始

 世界の若者が被爆の実態を学び、核軍縮の道筋を考える「ICAN(アイキャン)アカデミー」で、インターネットのライブ講座が27日、始まった。核兵器保有国を含む世界20カ国から若者31人が参加し、8月6日にかけて被爆者や専門家の話を聞く。

 参加者の時差を考慮し、2回開いた。午前10時からは、生後8カ月の時に広島市で被爆した近藤紘子さん(75)=兵庫県三木市=が、一時、米国人を憎んでいたと回顧。原爆を投下した米軍機エノラ・ゲイ号の元副操縦士と会い「涙を流す姿を見て、人を恨むべきではないと感じた」と話した。

 ドイツ出身で米国の大学で学ぶリア・チョームさん(20)は「核兵器廃絶や平和の実現のため、同じ思いを持った仲間をつくりたい」と意気込んでいた。

 アカデミーは非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)と広島県でつくる実行委員会が主催し、2年目。今年は新型コロナウイルス対策で日程を2部に分け、1部はオンライン形式で開き、2部は収束後に広島市での研修を予定する。

 ライブ講座のうち8月6日午後7時からの開催分では、参加者がICANのベアトリス・フィン事務局長や湯崎英彦知事と議論する。一般に動画配信する。(宮野史康)

(2020年7月28日朝刊掲載)

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