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「被爆人形展示継続を」 市民が1700人分署名

 原爆資料館(広島市中区)から被爆者の姿を再現したプラスチック製人形を撤去する広島市の方針の撤回を求め、佐伯区の会社員勝部晶博さん(42)が6日、1700人分の署名を資料館に届けた。

 勝部さんはインターネットの署名サイトを使い、3月下旬から集めた署名を持参。賛同者で熊野町の整体師入野裕樹さん(42)が「人形は原爆のイメージを膨らませる。撤去は納得できない」とする松井一実市長と志賀賢治館長宛ての嘆願書を読み上げた。

 増田典之副館長と、平和推進課の石田芳文・被爆体験継承担当課長が応対した。増田副館長は、遺品や被爆者が描いた絵などの展示を増やす方針を説明。「専門家や市民の意見を聞きながらまとめた手法。気持ちは受け止めるが、対応は難しい」と述べた。

 市は資料館の大幅改修に伴い、2016年度にも撤去する方針でいる。勝部さんは「遺品の展示も大切だが、人形も被爆者の記憶を代弁している。よりリアルに手直ししてでも展示を続けてほしい」とし、署名活動を続ける考えを示した。(田中美千子)

(2013年6月7日朝刊掲載)

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