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三次の連絡員 米軍機情報 13件提供 市の取り組み支える

 広島県三次市の委嘱を受けて米軍機の市内での飛行を本年度から監視する情報連絡員が、活発に動いている。6日までに市へ寄せられた本年度の目撃や騒音の情報22件のうち、13件が連絡員からだ。実態をつかみ米側や国に抗議、要請する市の取り組みを支えている。(桜井邦彦)

 連絡員は米軍機の低空飛行ルート「ブラウン」に関係する市北部地域にいる時間の長い住民。現在君田4人、布野3人、作木3人の計10人。ボランティアで活動している。

 作木町の江の川カヌー公園さくぎの周辺を担当する同公園所長の岡本和彦さん(60)は4月以降、低空飛行3件を報告した。今月4日午後0時半ごろに飛んできた米軍のEA6Bプラウラー電子戦機とみられる航空機の写真も鮮明に写した。

 5月21日午後9時35分ごろには、暗闇の中を爆音とともに赤い光を点滅させながら飛ぶジェット機を自宅の窓から目撃したという。

 「米軍機は山の陰から爆音とともに突然出てくる。蛇行しながらの無謀な飛行が多く、心臓に悪い」と岡本さん。「ことしは飛んでくる回数が多い。早くやめてほしい」と低空飛行の中止を求める。

 市地域振興課によると、本年度の情報22件のうち、高度別の4ランクで「超低空」が4件、「低空」が5件を占める。総件数は2012年度の上期(4~9月)の7件をすでに超え、1年間の合計の24件に迫る。

 同課の佐々木誠課長は「具体的な情報は、市が国や米側に要請する際の強い後ろ盾になる。データを蓄積し、低空飛行訓練の即時中止を目指し、訴え続ける」と話している。

(2013年6月7日朝刊掲載)

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