×

ニュース

民主化への志 幸福観問う ミャンマー人青年の活動 映画に

 パレスチナ紛争を長年追い続ける広島大出身のジャーナリスト土井敏邦さん(59)=横浜市=が、祖国の民主化のために日本で活動するミャンマー人青年の姿を映画「異国に生きる 日本の中のビルマ人」にまとめた。「日本人の幸福観を問い掛ける作品」という。広島市西区の横川シネマで8日から21日まで公開される。

 祖国の軍事政権の弾圧から逃れるため、1991年に日本に渡った一人のミャンマー人青年。祖国に家族を残し、政治難民として不自由を強いられながらも、民主化への志を貫く日々を映し出す。

 祖国に残した妻や親への思い、日本の難民政策の壁、祖国の民主化に直接貢献できないジレンマ…。98年から14年間、青年を撮り続けた土井さん。イスラエルの占領にあらがうパレスチナ人にも通ずる「真っすぐさ」に打たれたという。

 「彼らを突き動かしているのは、社会を差し置いて自分だけ幸せになることは許されないという幸福観。その姿は、身近なことにしか関心を示さない現代の日本人に自らの生き方を問い掛ける、映し鏡になるはずだ」と語る。土井さんは16日に舞台あいさつする予定。同シネマTel082(231)1001。(松本大典)

(2013年6月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ