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米軍機低空飛行騒音測定器設置 「一歩前進」と歓迎

 島根県西部で相次ぐ米軍機の低空飛行訓練に関し、国が初めて騒音測定器の設置を決めた6日、被害を受ける住民や自治体は「一歩前進」と歓迎した。同時に、国が実態把握を進め、救済に動くよう求める声も上がった。

 測定器の設置場所に近い浜田市旭町の認定こども園「あさひ子ども園」。藤田美津恵園長は「子どもたちは騒音におびえ情緒面に影響が出ている。国が実情を把握し訓練がなくなるきっかけになってほしい」と期待した。

 県内では浜田、益田、江津市と川本、邑南町の3市2町に計12台の測定器が設置されている。「重い腰を上げない」(県防災危機管理課)国が設置してこなかったため、県と浜田市、邑南町が独自に設置した。

 1~4月(120日間)の測定結果では、騒がしい街頭の音量に相当する70デシベルを超えたケースは計479回。最多の邑南町(143回)、続く浜田市(131回)では1日平均1回を上回る。同課の若槻真二課長は「設置は歓迎だが、事態は深刻。国は実態を理解し、平穏な生活を乱す訓練を止めてほしい」と話した。

 浜田市の宇津徹男市長は「国による騒音被害の把握と実態調査の実現に一歩近づいた。少しでも状況が改善されることを期待する」とコメントした。(樋口浩二、浜岡学)

(2013年6月7日朝刊掲載)

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