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自民議連 知事に決議文被服支廠 相当数保存を 「30億円」案伝えず

 広島市内に残る最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)で、自民党の被爆者救済と核兵器廃絶推進議員連盟のメンバーが31日、広島県庁で湯崎英彦知事と会い、国と県が所有する全4棟のうち「相当数」を残すべきだとの考えを伝えた。(岡田浩平)

 議連の河村建夫会長(山口3区)たち国会議員6人が、3月にまとめた議連の決議文書を湯崎知事に託した。非公開での意見交換後、河村氏は「被爆者救済の拠点になり、国の軍事政策に使われた歴史的意義もある。できるだけ残す方向で検討いただいている」と期待感を示した。

 議連は県所有の3棟を約30億円かけて保存する案をまとめているが、この日は湯崎知事に伝えなかった。河村氏は「自主的な検討に期待したい」と述べた。

 決議は、被服支廠について「相当数残すべき」と明示。保存にかかる費用について国が相応の負担をするべきだとしている。活用策として、被爆資料や被爆者の闘病の記録の展示、千羽鶴の保存、平和教育施設など6項目を列挙している。

 湯崎知事は「決議について説明を聞き、今後の保存・利活用の検討に向けて参考にしたい」とコメントした。議連は県議会の中本隆志議長にも同様の申し入れをした。

(2020年8月1日朝刊掲載)

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