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陸奥爆沈70年 平和誓う 岩国・周防大島で慰霊

 旧海軍の戦艦陸奥が岩国市柱島沖で謎の爆沈をして70年を迎えた8日、柱島や山口県周防大島町で慰霊祭があった。一部の遺族らは沖合の沈没地点まで船で赴き、1121人の犠牲者をしのんだ。

 柱島では犠牲者の遺骨を納めた石塔「戦艦陸奥英霊之墓」前で慰霊祭があり、遺族ら18人と島民ら約120人が参列した。山口県神社庁岩国支部の主催。大野小郎副艦長の長男忠彦さん(83)=大阪府高槻市=は「ずっと墓を守ってこられた島の方に感謝する。後世に今の平和を引き継いでいきたい」と話した。

 遺族らは慰霊祭後、チャーター船で沖合約5キロの爆沈地点へ。犠牲者数と同じ1121羽の折り鶴を海面に浮かべ祈りをささげた。

 周防大島町伊保田の慰霊碑前では地元の陸奥顕彰会主催の慰霊祭があり、遺族ら110人が参列。元乗組員の篠原喜一さん(90)=長野県小海町=は「仲間が亡くなった場所の近くで冥福を祈りたい」と話していた。

 陸奥は1943年6月8日、柱島沖で原因不明の爆発で沈没。乗組員や予科練生計1121人が亡くなった。(大村隆、久行大輝)

(2013年6月9日朝刊掲載)

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