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[コロナ禍の8・6] 減った折り鶴下支え 広島市内企業や団体 製作・協力呼び掛け

「平和発信しぼませない」

 広島市に拠点を置く企業や団体でつくる市企業等社会貢献活動研究会(中区)が、6日の原爆の日に向けて折り鶴作りに励んでいる。新型コロナウイルスの影響で国内外から市に寄せられる折り鶴が減っているため。被爆75年の節目に平和発信の機運がしぼまないようにと、平和記念公園(同)の原爆の子の像に手向ける。(田中美千子)

 研究会に加盟している21社・団体のうち、これまでに10社・団体が参加。事務局の市文化財団まちづくり市民交流プラザ(同)が集

め、5日、原爆の子の像にささげる。同日以降に集まった鶴は9月中にあらためて届ける。  加盟社・団体の一つ、もみじ銀行(同)は、修学旅行生や旅行者の激減で像に寄せられる折り鶴が例年に比べて減っていることを中国新聞の報道で知り、7月初旬に本店ロビーと食堂に折り紙と折り鶴の回収箱を設置。来店客や行員に協力を呼び掛けてきた。3千羽を目指し、県内104の営業店にも折り紙を送った。試みを広げるため、事務局を通じて研究会メンバーに参加を呼び掛けた。

 企画した同行地域振興部の中野悦美副調査役(56)は「折り鶴の展示ブースをいっぱいにして、コロナ禍でも平和を願う思いを届けたい。戦争を知らない世代の行員一人一人が、鶴を折りながら平和の尊さを考える機会にもしたい」と話している。

(2020年8月3日朝刊掲載)

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